AR・VR・MR用語集
GLOSSARY
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AR
Augmented Reality(拡張現実)の略。
現実世界からの情報を元に、デジタル情報を重ね合わせ、視覚的に現実を拡張した表現可能にします。画像や周辺の空間を認識し、現実の映像とデジタル情報を合成した映像を、リアルタイムにディスプレイ上に表示します。広告・プロモーションでの利用から広がり、近年では産業分野での利用が拡大しています。 -
ARCore
ARCoreは、Googleが提供する開発者向けのARフレームワークです。このフレームワークを使用したARアプリは、深度センサーなどの追加ハードウェアを必要とせず、一般的なAndroidデバイスで、モーショントラッキングや水平面、垂直面の検出などのARに必要な機能を実現します。現在は限られた端末でのみ利用可能ですが、将来的には全世界で1億を超えるAndroidデバイスに対応予定です。最新Verでは、iOSにも対応し、OSを超えて複数の端末で同時に体験する事を可能としたARクラウドも実現可能になります。
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ARKit
ARKitは、Appleが提供する開発者向けのARフレームワークです。このフレームワークを使用したARアプリは、ARCore同様に特別なハードウェアを必要とせず、iOS11以降のiPhoneやiPadで利用が可能です。iOS端末に最適化された空間認識機能により、水平面だけでなく垂直面を認識、キャラクターのCGを配置したり、部屋の長さを計ったりすることができます。
LiDARセンサーが搭載された端末では、周辺の床・壁・天井を見分けることが容易になります。また、ARオブジェクト(仮想物体)を早く安定的に置く事も可能になります。 -
ARToolKit
ARToolKitは、世界初のAR技術として誕生以来、世界中で支持されているAR開発ライブラリです。Android、iOS、Windows、Mac、Unityなど数多くのプラットフォームに対応、現在ではオープンソース*化され、無償で幅広く利用可能です。ARマーカー、マーカーレスいずれにも対応し、現在ではブラウザで動作するWebARとして移植されるなど、独自に進化し続けています。エム・ソフトは、ARToolKitの商用ライセンス販売を経て、豊富な開発実績とノウハウを生かし、現在もARToolKitを使ったARアプリの開発のサポートを行っています。
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ARクラウド
現実世界に紐づいたAR空間のデータをクラウドを経由して、自分以外の他者と共有する事です。例えば、誰かが空間にデジタルのメモやオブジェクトを残し、別の誰かが、その場所でスマホのカメラを向けると、残されたデジタル情報が表示されるといった事が可能になります。
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ARマーカー
マーカー型ARとは、コンテンツ(静止画・動画・3DCGなど)を表示するきっかけとして、QRコードに似た四角い矩形をターゲットとするAR技術です。アプリがカメラで矩形を捉えると、その矩形の上や横など指定した場所にコンテンツを表示する事が出来ます。カメラからマーカーまで多少距離があっても、矩形を捉える事さえ出来ればコンテンツを表示する事が可能になるため、業務目的のARなどに利用されています。
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HoloLens(ホロレンズ)
HoloLens(ホロレンズ)とは、2016年に米国Microsoftが開発したシースルー(透過)型と呼ばれるヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。HoloLens等を使った現実世界をベースとするMRの世界では、今までのVRでは難しかった歩き回ると言った動作もMRでは実現可能になります。
2019年末にはより視界が広く、軽量化されたHoloLens2が公開され、ビジネス領域でのMR利用の原動力になっています。
日本では、SB(ソフトバンク) C&S 株式会社がHoloLens2の取り扱いを開始しています。 -
LiDAR
LiDAR(ライダー)とは、Light Detection and Ranging (光検出と測距)の略で、発光した光が物体に反射して戻ってくるまでの時間を計算して、対象物までの距離を算出する光センサー技術です。近年では車の自動運転技術の一つとして注目されています。
他にも、ARやMRの技術と組み合わせることで、地形の測量や形状把握など、建設土木の分野での利用が期待されています。
また、最新のiOS端末でもLiDARが搭載されたことで、今後の利用が大きく注目されています。 -
Magic Leap
米国Magic Leap社が開発したMRヘッドセット。複数のセンサーとシースルー型のヘッドセットにより、高度なMR体験を可能にしています。また演算部とバッテリー、コントローラユニットをヘッドセットから分離することで、ヘッドセットの軽量化を実現しています。
日本では、NTTドコモが5Gと組み合わせたMRコンテンツの普及を目指し展開中です。 -
MR
Mixed Reality(複合現実)の略。
ARとVRを組み合わせたような技術であり、現実世界の仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせる事で、現実世界と仮想世界を同時に体験可能にします。MicrosoftのHoloLensなどのシースルー型と呼ばれるヘッドマウントディスプレイ(HMD)や、カメラ付きのVRヘッドセットなどを装着することで実現します。VRでは難しい歩き回るといった動作も、現実世界をベースにするMRでは実現可能になります。
また、仮想物体を3Dで表示させて自由な角度で見たり、物体に触って操作を行うこともできるようになります。 -
NrealLight
中国のNreal Ltd.が開発を進めている軽量さと低価格さが特長の次世代MRグラス。
従来では、高価・高機能が当たり前だったMRグラスを一般消費者にも手の届く価格帯にまで下げたことで、MR市場で新たな需要を生む製品として注目を集めています。2019年5月にKDDI株式会社と戦略的パートナーシップを締結し、日本市場参入を本格化させています。 -
Unity
Unityとは、ユニティ・テクノロジーズ社が提供する、アプリ開発プラットフォームです。ゲーム開発用がメインでしたが、現在ではARアプリやVRアプリ含め、ゲーム以外のスマホアプリ開発にも広く使われています。また、Unityで開発したアプリは、Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップや、iOS、Androidなど多くの環境で実行可能となります。他にも、Asset Storeと呼ばれるマーケットが用意されており、有料や無料の3DCG素材やプラグインなどを、手軽に利用することができます。また自分で作ったものを販売する事も可能です。
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VR
Virtual Reality(仮想現実)の略。
コンピュータが作り出した空間や世界を体感できる技術。主にヘッドセット、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、VRゴーグルと呼ばれるデバイスを装着することで、仮想空間に入り込んだような体験を可能にします。ゲーム・エンタメでの利用が多かったが、教育訓練にも大きな効果があり、ビジネスでの活用も広がっています。 -
VSLAM
VSLAMとは、Visual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping_自己位置推定と環境地図作成)の略であり、カメラ等で撮影された映像から空間の3次元情報を推定し、自己位置推定(自分がどこにいるか)と、環境地図(どこになにがあるか)を認識する技術です。
通常のSLAMのセンサーやGPS信号等を使うため、それらの信号が届かない環境では精度が低くなってしまいますが、VSLAMでは画像処理による認識処理を行うため、そのような環境でも精度が低くならないというメリットがあります。 -
WebAR
WebARとは、専用のアプリ等をインストールすることなく、Webサイト上でARを体験することができる技術です。アプリでの利用と比べて、ユーザーがすぐに、気軽にARを利用できることがメリットです。
また、開発用に無償オープンソースが提供されている為、開発工数とコストを低く抑えることができます。
以上の特徴から、EC業界やIT広告業界などでの活用が大きく期待されています。 -
Word Lens
「Word Lens」機能とは、 iPhone、Androidの[Google翻訳]アプリに搭載されている機能のことで、カメラで写した文字の映像をその場でリアルタイムに翻訳することができます。カメラを通すといっても写真を「撮影」する必要はなく、街角の看板や本、パソコンのモニターなどにカメラを向けるだけで、その中の文字を翻訳することができます。
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XR
X Reality、またはExtended Realityの略。AR、VR、MRなどの先端テクノロジーの総称。その他にもSR(Substitutional Reality)などの様々な技術が実用化される中で、個別の定義にこだわらず「新たな現実」を確立するテクノロジー全般を指す用語として利用されています。
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ウェアラブルデバイス
腕や頭部など、身体に装着して利用することが想定された端末の総称。時計型やリストバンド型、メガネ型やクリップ型、ヘッドマウントディスプレイ型やストラップ型など様々な形態のものがあります。また、単体で動作するタイプのものや、PC・スマホと接続して使う事を前提としているタイプまで複数あります。また、価格も数千円のものから数十万円のものまで様々あります。
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エアタグ
GPSを使って取得した緯度経度情報と電子コンパス、ジャイロセンサーを利用し、スマホのカメラ画面上に表示される吹き出し風のデジタルタグです。空間に浮くタグのイメージからエアタグと呼ばれ、主にロケーションベースのARで利用されます。観光ガイドや防災アプリなどに活用でき、土地勘のない旅行者や訪日外国人にも、対象スポットの方向と距離を分かりやすく表現することを可能にします。
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光学シースルー
光学シースルー(透過)とは、透明のグラスによって見えている視覚情報と、プリズムなどの光学系を駆使した電子ディスプレイの映像を重ねる手法です。
AR・MRのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の中にはこの方式が採用されているものがあります。
現実世界の物体を、普段と同じように見られるメリットがありますが、ディスプレイの映像との画質の違いがはっきりと表れやすいというデメリットがあります。 -
デジタルツイン
デジタルツインとは位置情報やIoT等の技術を活用し、現実世界のあらゆるものをデジタル情報として再現して仮想世界を作り上げる手法のこと、または再現されたデジタル情報そのもののことを指します。デジタルツインの技術をAR・MRと組み合わせることで、仮想世界と現実世界を重ね合わせた世界「ミラーワールド」が作られます。
デジタルツインは仮想世界であらゆるものを再現する為、例えば商品の開発シミュレーションや試作、リリース後のニーズ分析など、多くの作業がバーチャルで行えるようになる為、様々な業界、ビジネスで注目されている技術です。 -
デプスセンサー
デプスセンサー(深度センサー)とは、人や物など、物体の形状を立体として認識することのできるセンサーです。この技術により、物体の動きや距離などの認識精度向上が期待できます。一般的には、デバイスから光を発射し、物体から跳ね返った時間を測定し距離を計算するTime-of-flight(ToF) という方式が採用されることが多いです。
最近ではスマートフォンやタブレット端末にも搭載され、高性能のAR・MR体験を手軽に利用することができるようになりました。 -
点群
点群とは、コンピュータで扱う、3次元空間の位置(XYZ座標)を表した点の集まりのことです。点群データは3Dスキャナー等を用いて測定、データ取得を行います。
点群データをAR技術に活用することによって、物体や空間の情報を仮想世界で再現することができます。 -
ビジョンベースAR
カメラから取得した画像認識、空間認識に関する技術を利用して目の前の環境を解析し、デジタル情報を付加する方式のARです。出版・印刷物や、商品パッケージ画像を活用した商品プロモーション活用などに多く使われています。認識率の高いARマーカーや、デザイン性の高い自然画タイプ(マーカーレス)などがあります。画像の特徴点抽出により、必要な位置に正確に付加情報を提示できますが、撮影の距離が遠かったり、視認性が落ちる暗所等では動作が不安定になりやすくなります。
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ビデオシースルー
ビデオシースルー(透過)とは、ビデオカメラによって撮影した現実世界の映像と、仮想世界の映像を合成する手法です。
AR・MRのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の中にはこの方式が採用されているものがあります。
現実世界の映像と仮想世界の映像とほとんど同じ画質で見られるメリットがありますが、現実世界の物体の実物感がやや落ちるというデメリットがあります。 -
マーカーレス
ARマーカーの代わりに写真等の画像(自然画)をターゲットにしたARです。画像内の特徴点を抽出して画像認識をします。ARマーカーと違い、デザインの自由度が高くなるため、商品のパッケージなどをターゲット画像にした販促・プロモーション用のARなどに広く使われています。ただし、画像の特徴量や画像とカメラの距離によって認識精度に影響します。
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ミラーワールド
ミラーワールドとは、現実世界とデジタル情報で作られた仮想世界を重ね合わせた世界のことです。仮想世界は、現実世界の空間や物体など、あらゆるものをデジタル化して作られます。現実世界と仮想世界を重ね合わせる為の技術として、ARやMRが利用されています。
現時点ではまだミラーワールドの存在は確立されていませんが、近い将来「インターネット、SNSに続く第三の巨大デジタルプラットフォーム」といわれています。 -
ロケーションベースAR
GPSや電子コンパス、加速度センサー等を利用し自己位置を特定し、周辺の情報を、スマホ画面上にデジタル情報として合成表示する方式のARです。ナビゲーションサービスや観光情報サービスで活用されることが多いです。屋外での利用が容易に出来る反面、GPSの精度に依存するため、屋内や正確な位置表示が難しい面があります。