【技術紹介】ARKitとARCoreがもたらすAR革命

NEWS

2017.09.11

ブログ

テーマ:

リリース目前の「ARKit」

AppleのiOS11に実装されるiOS向けのARフレームワーク「ARKit」。
リリースも間近となり、スマートフォン向けARの市場が慌ただしくなってきました。
そこに拍車をかけるようにGoogleがAndroid向けのARフレームワーク「ARCore」を8月29日に発表。
長らくくすぶっていたAR市場に革命が起きようとしていると言っても過言ではありません。
今回はこれらのARフレームワークの特徴や、一足先に導入した所感等をお伝えいたします。
ちなみにTOP画像に写っている花瓶はARKitで表示させたものです。
本当にそこにあるかのように写っています。

そもそもARとは?

ARとはAugmented Realityの略で、日本語訳では拡張現実とも呼ばれる技術です。
カメラで映した現実空間にリアルタイムで情報やコンテンツを表示し、あたかもそこにコンテンツが存在しているかのように見せることができます。
イメージとしては、一大ブームを引き起こした「ポケモンGO」を思い出していただけるとわかりやすいかと思います。
ARで表示され、現実世界に現れたかのようなキャラクターたちに心躍った方々も多いのではないでしょうか。

 

ARKitとは?

Appleが2017年6月6日に発表した、開発者向けのARフレームワークです。
もちろん今までもARの開発は世界的に行われてきましたが、OSとハードに最適化された開発環境というものは今まで存在しませんでした。
OSとハードが最適化されることによって、今まで難しかった機能の実装等に挑戦できるようにもなるため、今まで以上にハイクオリティなARソフトをお客様に届けることができると感じております。
長年の開発実績を積み重ねてきたエム・ソフトの手掛ける「AR」の更なる成長に、ぜひご期待ください。

 

ARKitと今までのARは何が違うのか?

前文でも触れましたが、ARKitはAppleが自社のiOSのために発表したARフレームワークです。
今までのARとは違い、開発者はiOSに最適化された環境でARの開発を行うことができます。
また、iOS搭載端末(iPhoneやiPadなど)が持つハードの機能(カメラやセンサー)との連携も最適化されているため、今までのARでは実現が難しかった機能が実現されています。
「空間認識」の機能などがそれに当たります。
空間認識を行うことで地面や床をカメラで認識し、今までは位置が定まらず浮遊していたようなARコンテンツもシッカリと地面に立たせることができ、よりリアルな表現が可能になります。
また、空間と位置を把握させることによって、今までは何かしらのマーカーが無ければ固定できなかったARコンテンツを、カメラを動かしても同じ位置に固定させることも可能です。
その他にも光度センサーと連携させた明るさ推定や、ジャイロセンサーでの傾き把握を利用して物の長さを計るなど、ARの可能性を更に広げる機能が搭載されています。
追加のハードウェアも不要であることから、ARKitはiOS11がリリースされれば、iOS11以降かつiPhone 6s以降(A9チップ以降)の端末で誰でも利用できるようになります。
つまり、iOS11公開以降は全世界で数千万台以上の実行環境が生まれることになります。

こちらは弊社で撮影したARKitを使ったデモ映像です。
マーカー無しで平面にカメレオンを出現させています。
出現している位置を把握しているので、別の方向にカメラを向けた後でも最初と同じ位置にカメレオンが居続ける点にも注目です。

 

 

こちらは距離測定のデモ映像です。
カメラから対象とした平面までの距離を瞬時に計ることができます。

 

 

ARCoreとは?

ARCoreは2017年8月29日にGoogleがAndroidスマートフォン向けに発表したARフレームワークです。
現在はプレビューリリースに限定されており使える端末は限られていますが、将来的には基本機能としてAndroidスマートフォンに搭載されていく予定のようです。
ARCoreもARKitと同じくソフトとハードが最適に連携するようにできており、先述したような各種センサーを活かした機能も使用できるようになっています。
Googleが公開したこちらのイメージ映像を見ていただければ、どのようなものかわかりやすいと思います。

 

 

ARはこれから私たちに何を与えるのか?

スマートフォンがまだなかった時代は、スマートフォンを一体何に使うのかも想像できなかったと思います。
ところが現在ではスマートフォンの無い生活など想像できないほど、スマートフォンは私たちの生活に密に結びついています。
AppleやGoogleがARで実現しようとしているビジョンも、それと同じではないかと思います。
ARが普及することにより、以下のようなことが日常的に行われるようになるかもしれません。
・ネットショッピングの際にARを使い、購入予定の物を実物大で部屋に置く。
・現在ある家具との大きさを比較する。
・メジャーではなくARで物の大きさを計る。
・食材の栄養バランスをスカウターの様にARで把握する。
・機械の説明書がARで手順通りに機械そのものに映し出される。
・現実空間でARのキャラクターを飼育する。

 

挙げていけばキリがありません。
ARが活用される場所は一般生活から産業分野まで幅広く広がっていくことでしょう。

 

さいごに

今回の記事を通して現在のAR事情が少しでも伝われば幸いです。
まもなくリリースが予想されるARKitの登場が待ち遠しいですね。エム・ソフトではARKitを使った開発や検証も先行して行っております。
ARを利用したアプリケーションの制作等に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せください。
10年以上のAR開発実績と多数の導入事例を持つエム・ソフトが、お客様のご要望を実現できるよう真摯にご対応させていただきます。