iPhone12ProでついにLiDARが搭載!!ビジネスでの活用は?2020最新iPhone注目ポイントまとめ
NEWS
2020.10.15
ブログ
こんにちは。エム・ソフトの有村です。
10月14日にAppleのスペシャルイベントが行われ、 iPhone の最新モデル「 iPhone 12シリーズ」 が発表されました。
以前の9月16日に開催されたイベントではiPadやApple Watchなどの端末のみの発表だったので、
「新型iPhoneは数週間後の発表になるのではないか?」
と予想していたのですが、やはりiPhoneシリーズが出てきましたね!
iPhone12シリーズのうち、「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」にLiDARスキャナが搭載されたので、AR業界にとって大きなインパクトになるだろうと考えています。
今回はそのiPhone12 Proモデルに搭載されたLiDARの特徴や、ビジネスにどう活用できるか、ARが今後どう進化していくかについて、エム・ソフトが注目したポイントをご紹介したいと思います。
出典:Apple
目次
iPhone 12 Proの特長
iPhone 12 Proモデルの特長を抜粋します。
- 画面サイズは6.1インチ(Pro)、6.7インチ(Pro Max)
- 超広角 ・広角・ 望遠のトリプルカメラ搭載
- LiDARスキャナー搭載
- A14 Bionicチップで処理性能が大幅向上
- 5G対応
- ワイヤレス充電規格「MagSafe」の搭載など
以前のiPhoneシリーズでは超広角・広角のデュアルカメラまででしたが、今回「望遠」のカメラが追加され、トリプルカメラとなりました。
写真や動画撮影の幅が広がりますね。
また、CPUはA14 Bionicチップが搭載され、従来機種よりも処理性能が向上されています。
さらに、iPhone 12シリーズすべてが5G対応になりました。
5G対応のiPhoneをずっと待っていた方にとってはうれしいニュースだったのではないでしょうか。
他にもナイトモードのカメラ撮影強化など、様々な特徴があります。
そして、エム・ソフトが最も注目しているポイントはやはりLiDARスキャナですね!
iPhoneにLiDARが搭載!その特徴は?
「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」の2機種に、ついにLiDARスキャナが搭載されました。
既に発売されているiPad Pro 第4世代には既にLiDARが搭載されている為、「次のiPhoneにもLiDARが搭載されるのでは…?」
と、AR界隈から大きな期待が寄せられていたのですが、その期待通り、初のLiDAR搭載のiPhoneが発表され、個人的にとてもうれしく思っています。
LiDARについてはこちらの記事で詳しい内容を載せていますので、興味があればこちらもご覧ください。
それでは、LiDARスキャナがARにとってどんなメリットがあるのか、簡単にご紹介します。
出典:Apple
床面・壁面認識が速い
これまでのiPhoneで床面・壁面認識をする場合、カメラで撮影した映像とiPhone内の加速度センサなどを使用していました。
確かにこれでも認識できないことは無いのですが、あくまでも「疑似的に床面・壁面を検出」することしかできず、認識完了までに時間がかかってしまうという問題がありました。
一方、LiDARスキャナ はToF (Time of Flight)という方式を用いることで、周辺環境の3次元情報を認識することができます。
これは、「赤外線を発射して、それが反射して戻ってくるまでの時間を計測し、その結果をもとに物体までの距離を測定する」というものです。これを利用することで、床や壁の距離をより速く正確に測ることができます。
実際に私もLiDAR搭載のiPad Proで床面認識をしましたが、特に手間をかけることなく一瞬で認識することができました。
普段私が使っているiPhone 7だと、「ゆっくりと端末を動かしてください」とか「もっと明るさが必要です」と怒られながら床面認識する必要があったので、これは非常に大きなメリットだと思います。
ちなみに、エム・ソフトが開発した空間記録アプリ「Pinspect」についても、LiDAR搭載のiPad Proで使用することで床面・壁面認識が高速・高精度になっています。
物体認識が高精度
上記と同じ理由で従来のiPhoneは物体の認識もあまり得意ではありませんでした。
壁や床については、ある程度の認識はできたのですが、それ以外の物体はそれぞれ形も色も素材もバラバラなので、カメラだけでは正確に認識するのが困難というのが現状でした。
しかし、LiDARスキャナであればカメラの映像だけでなく赤外線の反射で物体を検出するため、精度の高い認識ができるようになります。
物体を認識できるようになると、例えばARオブジェクトと現実の物体の前後関係を再現する、などの表現ができるようになります。
距離などの計測精度が向上
赤外線で距離を計測する為、ARで距離・面積・体積を高精度で計測することができます。
こういった測量は人手が必要だったり手間も時間もかかってしまう為、それをARで行えるというのはメリットが大きいと思います。
ちなみに、エム・ソフトが開発した測量ARアプリ「スマホ de サーベイ」も、LiDAR搭載のiPad Proで使用することで、より高精度で計測できるようになります。
点群の取得が可能に
新しいARKitではLiDARを利用して点群の取得ができるようになりました。
従来であれば、高価な専用のハンディレーザスキャナーが必要でし
以下、点群の生成イメージを動画で撮影してみました。(※LiDAR搭載のiPad Proを使用しています。)
↓エム・ソフトの受付を点群で生成してみます。
カメラで写していくだけでどんどん点群が生成されていきます…!
このようにあっという間に点群データができるのがお分かりいただ
点群を生成できると、そのデータを使って色々なことができるようになります。
例えば、iPhone 12 Proを使って点群を取得し、各種現
現場で使用することで、生産性向上や省人化に役立つのではないでしょうか。
ARは今後どうなる?
iPhoneにLiDARスキャナが搭載されたことで、ARは「身近で実用的な技術」として急速に進化していくのではないか、と考えています。
従来のスマホ・タブレット端末でもARを体験することは可能でしたが、上述のように精度や実用性、といった点でいまいちな点が多くありました。なので、「ARオブジェクト(物体やキャラクターなど)をただ表示する」だけのアプリやサービスが多かったのが現状です。
しかし、LiDAR搭載された端末であれば、それらの問題は大きく改善され、実生活で役に立つAR体験が可能になります。
また、「iPhone(スマホ)」という点も大きなポイントです。
iPad ProでLiDARが搭載されたことも確かに衝撃的ではあったものの、その大きさや価格の点で、決して身近なデバイスとはいい難いものでした。
ですが、iPhoneは誰でも簡単に持ち運ぶことができます。
これはつまり、実用性の高いARが気軽に使えるようになったということです。
実用性と身近さを兼ね備えるデバイスが誕生したというのは、非常に大きな意味があると思っています。
もしかすると、今後数年のうちにAR系のアプリやサービスが次々に生まれてくるかもしれませんね。
出典:Apple
まとめ
以上、簡単にではありますがLiDAR搭載のiPhone 12とLiDARのメリットについてご紹介しました。
ARを高精度で使えるiPhoneができたという点では、今回のiPhone 12の発表はAR業界にとって非常に大きな意味があったと思います。
端末のAR認識精度は確実に向上しているので、特にビジネスでのAR活用が今後増えていくのではないでしょうか。
ARを活用したDX(デジタル・トランスフォーメーション)がどんどん広まっていく予感がしますね…!
とはいえ、「iPhone 12 Pro」も「iPhone 12 Pro Max」決して安価とは言えない為、
「一般的なコンシューマーが気軽に高精度ARを使える社会」はもう少し先、といった印象です。
AppleはARの開発に力を入れている為、来年・再来年でまた大きな発表があるのではないかと期待しています。(個人的にはApple Glassの発表が楽しみです。)
今後も引き続き、動向をチェックしていこうと思います!
エム・ソフトでは、iOSのVR、ARアプリ製品の開発、また点群を使ったアプリ等の開発を行って
これらの技術を活用したアプリケーション開発のご相談や、各種デモ・事例紹介のご依頼など、お気軽にご相談下さい。
- CATEGORY
- Pinspect
- RayBrid KeyMaker
- ブログ
- 開発ノート
- セミナー・イベント
- 【終了済】セミナー・イベント
- メディア
- イベント