iPhone/iPadで簡単に3D間取り図作成!Appleが発表したRoomPlanとは?
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2022.06.20
ブログ
こんにちは。エム・ソフトの有村です。
日本時間の6月7日、Appleの年次開発者会議「WWDC(World Wide Developer Conference)」が開催され、次期OSであるiOS 16やM2チップを搭載した新しいMacBook Pro、MacBook Airなど、様々な発表が行われました。
それらの発表の中で、iOSとiPadOSにおけるAR機能の新バージョン「ARKit 6」についての情報があわせて解禁となり、注目を集めています。
また、その中でもひと際注目されているのが、新たに導入された「RoomPlan」APIというものです。
今回は、新しく発表された「RoomPlan」についての解説と、「どんなことに活用できるのか?」といった点について解説をしていきたいと思います。
RoomPlanとは
RoomPlanは、iPhoneとiPadのカメラとLiDARスキャナーを利用して、家具のレイアウトを含む屋内スペースをスキャンし部屋の3D図面を作成できるARKitのSwiftAPIです。
端末ひとつで簡単に部屋の中をスキャンして部屋の間取り図データを作成。データを出力し様々な活用が可能となります。
Appleは近年、LiDARスキャナをiPad/iPhoneに搭載したり、iOS向けのARフレームワーク「ARKit」を提供したりと、XR(AR,VR,MR)系の技術に力を入れてきています。
今回のRoomPlanもそのひとつと言えるでしょう。
RoomPlanで会議室スキャンをやってみた
実際にRoomPlanがどのような機能なのかを確める為、エム・ソフト事業所の会議室で実際にスキャンを行ってみました。
※今回はiOS16の端末で、RoomPlanのβ版を使用しました。こちらはデベロッパ向けの提供ですので、一般ユーザが実際に使えるようになるのは、正式リリース後(2022年秋以降)となります。
動画をご覧いただければ一目瞭然ですが、カメラで部屋を映していくだけで、床、壁、テーブルなどのオブジェクトをどんどん読取り、3D図面が作成されていくのが分かると思います。
近未来的、という感じがしますね…!
スキャンした3Ⅾ図面データはUSDまたはUSDZファイルで出力が可能です。
なので、例えばCinema 4D、Shapr3D、AutoCADのようなUSD・USDZに対応できるソフトやツールにエクスポートして、データを管理したり、調整したり、と様々なことができるようになります。
家具の寸法や種類などの特性も含めて取得できているようなので、かなり高度なスキャンといえるのではないでしょうか。
また、実際に使用してみた結果、以下のような特徴があることがわかりました。ご参考になれば幸いです。
- 主に壁や床を認識するようになっている
- オブジェクトの生成スピードは速い
- 机や椅子などは、ボックス形状のオブジェクトになる
- 一度のスキャンで認識できるのは10m四方ぐらい。あまり広い
スペースだと動作が重くなってくる - 階段は認識せず、高さの異なるフロアを同時に作ることはできな
い
※最初に認識した床面を基準としている模様
RoomPlanの活用例 建築、不動産、インテリアデザインなどに
それでは、このRoomPlanはいったいどのような活用例が考えられるでしょうか。
3D図面が簡単に作成できるということで、やはり住宅、不動産業界や建築系、メンテナンス系の業務で活用できるのではないかと思います。
Appleの説明では、
RoomPlanを使用して、不動産、eコマース、ホスピタリティアプリなどのアプリで直接部屋の間取り図を作成することにより、顧客がより多くの情報に基づいた決定を下せるようにします。これらのスキャンは、概念の調査と計画を合理化するのに役立つ、建築とインテリアデザインのワークフローの最初のステップにもなります。
と記載があります。
確かに、3Ⅾ図面を簡単に作成できるようになるので、データを共有し、関係者どうしの認識合わせや意見交換をスムーズにできるようになると思います。
また、建物の設計等を行う際にも役立てられるかもしれません。
それ以外にもメンテナンス業務として、部屋の中や現場の状況をデータとして保全する、といった活用方法もあります。
現場での工事やメンテナンスを行う業務では、「現場の状態をデータとして残したい」「現場に行かなくても状況を把握したい」「現場を後から分析したい」といった課題を抱えている企業が多いかと思います。
RoomPlanを使うことで現場の状態を3Dデータとして残しておくことができる為、上記のような課題解決に役立てられる可能性があります。
こちらは、エム・ソフトが開発した「現場3Dデジタル化アプリ デジスキャン」も参考になると思いますので、よろしければ製品ページをご覧ください。
これ以外にも、様々な活用方法が考えられそうですね!
また、このRoomPlanはAPIなので、個別アプリの機能として組み込むことも可能、というところも大きなポイントです。
新規でオリジナルアプリを開発する際はもちろん、既存のアプリにRoomPlanの機能を取り込むことも可能となります。
まとめ
今回はAppleの新発表の中でも注目度の高かったRoomPlanに焦点を当てて、解説しました。
従来より格段に早く簡単に3D図面を作成できるようになるので、色々な活用方法が今後出てくるのではないかと思います。
Appleはここ数年、とても興味深い新機能やAPIをいくつも発表しているので、今後も楽しみですね。
RoomPlanはエム・ソフトで開発したデジスキャンや、「点検業務を効率化するメンテナンスDXアプリ Pinspect」にも関連性が高い機能の為、今後これらの機能を組みこむことで、より便利なアプリに改良できる可能性も十分あります。
こちらについては今後検討していきます。
もし、弊社アプリとRoomPlanを組み合わせた機能の要望やアイディア等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
また、RoomPlanを使ったオリジナルアプリの開発も可能ですので、そちらのご相談もぜひお待ちして
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