【開発ノート】iOSのARが進化! ARKit3 新機能まとめ

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2019.09.06

ブログ 開発ノート

こんにちは
エム・ソフトのエンジニアのasanoです。

エム・ソフトでは、ARやXRのアプリを日々開発しています。
開発に役立ちそうな情報やメモなどを不定期で公開していきたいと思います。


 

いよいよiOS13の正式リリースが目前に迫ってきました。

同時にARKitも3にバージョンアップされるのをご存知でしょうか?
今回はARKit 3で追加される新機能を紹介します!

ARKit 3の新機能

モーションキャプチャー

今までは表情の認識だけでしたが、ARKit 3からバックカメラを使用して体の位置や動きを認識できるようになりました。顔だけでなく全身にデコレーションをして写真を撮るといった楽しみ方ができるかもしれませんね。
ただ、少し残念なのはカメラに写っている人は画面が見れないというところ。上手に使うには工夫が必要ですね。

ピープルオクルージョン

ARコンテンツが現実の人の後ろに回り込むという表現ができるようになりました。

画像を見ていただければわかると思いますが、ARで表示しているオブジェクト(建機)が手で隠されています。一見すると当たり前のことなのですが、今までのARで実現するのは、非常に難しいことでした。
今回のARKit3では、ARコンテンツが常に手前に表示されしまうことによる違和感が無くなり、より臨場感のある表現が可能になります。

フロントカメラとバックカメラの同時使用

バックカメラで空間を認識しながら、フロントカメラを使用して利用者の表情の認識ができるようになりました。
かなりレアなケースかもしれませんが、バックカメラを使ってARのゲームをしながらフロントカメラで自分の表情を取ってバーチャルなアバターで実況...みたいなことができるかもしれませんね。

複数のフェイストラッキング

1台の端末で最大3人までの表情を認識できるようになりました。
これも自分や隣にいる友人の顔をバーチャルなアバターに置き換えて一緒に実況するみたいなことができそうですね。

共同セッション

ARKit 2でも複数人でARコンテンツを共有ということは出来ていたのですが、これは一人が作成したAR空間を複数人で共有するものでした。
ARKit 3では複数人で同時にAR空間を作成することができるようになり、複数人で共有する際のAR空間構築の時間の短縮に繋がりそうです。
また、それぞれのAR空間を同時に体験することで、ARを使ったゲーム体験や、家族みんなでインテリアシミュレーションなど、様々なことが可能になりますね。

その他の改善点

・立体物の認識精度の向上
・空間の認識速度の向上

などなど非常に大きなアップデートになります。
この辺は、基本部分だけに、性能向上は非常にうれしいですね!

まとめ

ARKit3ではもちろん現実空間の認識精度の向上もしているのですが、人とのインタラクションに重きを置いたバージョンアップという印象です。
ただ、残念なのが、モーションキャプチャやオクルージョンといったメインの機能の対応端末が限られているということです。
8月末の時点でiPhoneはXR / XS / XS Max、iPadはPro(第三世代)/ Air(第三世代)/ Mini(第五世代)と、新しい機種のみが対応になっています。
フェイストラッキングに関してもTrueDepthがないと動作しないため、なかなか厳しいアップデートになりそうです。
この秋発売予定の新型iPhoneに期待ですね。

 


 

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